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エピソード96:アウトドアあれこれ

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   真夏と真冬を除いて、我が家はしょっちゅうアウトドアに行く。父の車が軽四のキャンピングカーなのもあり、どこでもキャンプできるのだ。当然キャンプ用品もすぐに準備でき、「これからキャンプに行くぞ」となっても、各自 1 時間もあれば出かけられる。私だって白豚みたいな見た目だけど、「動けるデブ」を自称しているから、アウトドア経験はそれなりにあるつもりだ。  で。以前無職になった時に、某アウトドアショップのパートに応募したことがある。言っておくが、家族全員そこの商品には何十年もお世話になっている。募集要項には、特にアウトドア経験必須などとも書いておらず、軽い気持ちで面接に臨んだ。  ところがである。面接が終わったと思いきや、いきなり筆記試験が始まった。「高知県内の山の名前を5個以上あげよ」とか、「◯◯というギアについて説明しなさい」とか。そんなこと寝耳に水である。山の名前はともかく(自分がこれまで登って来た山をなんとか書いた)、ギアの説明なんて出来んよ。そんなゴリゴリのアウトドア屋をパートに求めていたのか!?いかにもアウトドアの対極にいるような白豚の中年女という見た目だけで、かなり損しているというのに。当然、そこは不採用だった。チキショー、もうここの製品は買ってやらんぞ(と言いつつ、ショップ会員になってるんだけど)。  その後もそこの店には行く機会があり、当時の面接官を見かける度に気まずくなる。アタシが白豚アウトドア屋ということを知らんかったんだろう。学生の頃はS学館のアウトドア雑誌「B-P◯L」を愛読していたというのに。子どもの頃の夢は探検家だったんだぞ!テントの撤収くらい1人でできるわ!…とまあ、いくら心の中で叫んだって、むなしさは変わらない。せめてキャンプの時に、とっときのファイヤースターターで火をおこして、燃える炎を見ながら苛立ちを静めよう。ちなみに今年の目標は、「焚き火を操ること」である。早く春よ来い♪

エピソード95:救急車

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  この気候のせいか、最近救急車が多いような気がする。高知市東部のT須地区、そのさらに東にある「S木東」という地区が、私の住むトコロ。昔はよく子どもたちが、道路でボール遊びなどをしていた。それが今やどうだ。たまにお年寄りが手押し車をついて歩いているくらいで、道を歩く人はほとんどいない。道路で遊んでいる子どもの姿だって、とんと見かけない。この町内、ホントに人が住んでるのかとさえ思う。だが、このゴーストタウンのような町に人を集める秘技(?)がある。それが「救急車」だ。  遠くから救急車のサイレンが近づいて来る。サイレンが段々大きくなり、止まった。すると、どこからかギャラリーがわらわらとわいてくる。大半が高齢の女性で、なぜか男性陣は少ない。この前の騒ぎもそうだった。他所の家の庭に入ってまで見物しているおばさまもいる。おしゃべり好きのT野さんなど、帰宅途中に偶然見かけた救急車をわざわざ引き返してまで見に来ている。我が父は入浴中だったが、裸で出て行こうかと思ったそうだ。その野次馬根性はどこから来るのかと問うと、「好奇心」とのこと。…父は長生きすると思う。ちなみにその後、T野さんから一部始終を聞いたのは、他でもない父だ。  それこそ救急車といえば、以前家のすぐ南の通りに停まったことがあった。想像に憶測を重ねた結果、「あそこの◯◯さんが亡くなった」という結論に至った。もちろん父は「様子を見に行く」と散歩のフリをして出て行ったし、私もその家の前を通る時は、わざとクルマのスピードを落として覗き込んだ。あの庭のクルマは帰省した息子さんのに違いない。そこまで確信していたある日のこと。なんと◯◯さんが、庭にあったクルマに乗り出かけようとしているではないか!どうやら私たちの推理(?)は間違っていたらしく、通りを一本勘違いしていたらしい。これもまた、後に聞いたT野さん情報。  なんだかうかつに救急車を呼べない町内である。せいぜい健康には気を使って、事故や怪我に巻き込まれないよう気をつけねば。そう固く誓った年の始めであった。  

エピソード94:2023年

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  新しい年になった。2023年である。子どもの頃に想像していた西暦2020年代といえば、車は空を飛び、ボタンひとつで食事が出て来て、人々はピタピタのスーツを着ていた。父親世代にとっては「鉄腕アトムの時代」である。しかしあのアトム、実は黒電話を使っているのだ。結構アナログだぞ。まあ今だに車は地上を走っているし、食事は一から作らねばならぬ。道行く人は誰もピタピタのスーツなんて着ていない。なんか想像していた未来と違うのが残念(?)だ。    ところで、我が家にはK知新聞社発行の「1989 FLYING TOSA 平成元年の土佐を飛ぶ 高知県航空写真集」という、立派な本がある。1989年。今から30年以上も昔の写真集だ。だが、これが実に面白く興味深い内容なのである。ずっと持っていると筋肉痛になりそうな巨大な本(新聞紙サイズ)で、細かな所もよく見える。この30年間の移り変わりが手に取るように分かるのだ。    まず驚かされるのは、潮見台ニュータウンや十市パークタウンに、住宅が全くないこと。土がむき出しである。あれ、そんなに最近の住宅地だったのか!?それから街中の様子。なんと中央公園が造成中ではないか!生まれる前からあそこは公園だと思っていた。さらに目を凝らしてよく見ると、今はもう存在しない建物や会社がそこここに。「ニチイ」「高知西部」「山一証券」…。極めつけは、「グリーンピア土佐横浪」。“国民休暇県構想の中核として、総合リゾート・レクリエーション施設としての期待を集める大規模保養地”との注釈が。…なんかもう泣けてくるね。  他にも卸団地が田んぼばかりだったり、昔の高知駅がそのまんま見えたり。当然駅の裏はなんだかゴチャゴチャした荒れ地のある住宅地が広がっている。私の中でボロい高知駅の記憶はもうほとんどないなぁ。うっすら高架橋から、汽車を見るのが面白かった思い出があるくらい。そういえば昔、とでんの高知駅前の電停は、くねっと曲がった所にありましたよね?あそこにあったヤシの木はどこに行ったんだろ。30年後の高知は、はたしてどんな風景を見せてくれるのか。未来に希望を持って、本年も八彩帖をどうぞよろしくお願いします!