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エピソード93:大雪騒動

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  前回の八彩帖は雪がテーマだったが、まるで予言していたかのように高知に雪が降った。それも積雪14cm、観測史上最高である。12月23日の朝。カーテンを開けて広がっている光景に目を疑った。「何じゃこりゃ!?」思わず三度見したが、ここは南国土佐。なのに辺り一面真っ白。私の頭の中も真っ白になった。早速SNSをチェックする。うーむ、高知市から西方面で大変なことになっているようだ。    雪国の人なら積もった雪を見た途端、雪かきの道具を取りに行くだろう。しかしここはめったに雪の降らない高知。人々が取りに行くのはスマホやカメラである。なんだか雪国の人にツッコミを受けそうだ。ってか、スタッドレスなんて履いてないクルマが大半だろうに通勤しようとするなんて、地獄へまっしぐらじゃなかろうか?雪の中を自転車で行く猛者もいる。だからやめなさいってば(元東北に住んでいた者より)。    不要不急の外出は控えろというおふれが出ていたが、私たち家族は「溶けないうちに雪の様子を見に行く」という、「要&急」の用事のため(?)、出かけることにした。ちなみに父のクルマはスタッドレスタイヤである。こんなこともあろうかと、 12 月が来たら毎年履き替えているのだ。    まーしかし、雪が凍ってシャーベットになっているため、クルマはノロノロ運転。高知市内でも西の方は雪が多いようだ。結局、朝倉〜伊野の咥内坂付近と西バイパスの下り口、国道の佐川方面が渋滞していたため、やむなく引き返した。しかし窓からの眺めは壮観だった。仁淀川の河川敷が銀世界なんて!一生に一度しか見られないんじゃないか。    ところで、雪かき経験の無い高知県人。観察した結果、皆色々工夫してやっている。まずスコップ。そしてホウキやちり取りといった掃除用品。特に竹ボウキが良さそうだ。そしてバケツ。なんか謎の園芸用品や鍬・鋤の類で雪をかいてる人もいた。もはや何でもありである。そうそう、雪かきの時は下ばかり見てるけど、屋根からの落雪には注意ですよ。それからツララの下は決して歩いてはいけません。以上、大雪観察報告でした ♪

エピソード92:雪

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   南国土佐に住む高知県人にとって「雪が降る」という現象は、センセーショナルな大スペクタクルである。どんよりとした空からチラホラとホコリのような雪が降ってきただけで、「いや、雪や!」「早う見て見て!」などと口々に騒ぎ立て、スマホをかざして SNS にアップする。大昔私が高校生だった時、 2cm の積雪を記録したことがあった。当時はあちこちでスリップ事故が多発し(父も菓子折り持って行ったクチ)、学校は休校になった。雪耐性が無いというのは、いよいよ難儀なことである。    なぜ私がそんな上から目線なのかというと。大学時代を東北の仙台で過ごしたからだ。仙台は東北でも温暖で雪が少ない。せいぜい降って高知の山間部くらいだろう。しかし、初めて東北という未知の世界へ行く 18 歳の私には、何もかもが謎過ぎた。「やはり頬っぺた真っ赤な人が、『〜だべさ』とか言ってるんだろうか」なんて本気で思ってた(注:そんな人いません)。冬がどれほど寒いのかも分からない。とにかく厚着をして受験した気がする。    晴れて大学生になった私。女子寮に入ってみてまず目についたのが、部屋の壁に付けられた配管むき出しの装置である。「何やろコレ?」高知ではまず見たことがない。そりゃそうだ。これは「スチーム暖房」という、超強力な暖房なのだから。起動する時に「カンカンカンカン」と大音響がし、配管の上に干した洗濯物は瞬く間にパリパリに乾燥するという、すごい暖房である。ちなみに大学も寮もスチーム暖房はあったけど、冷房や扇風機は無かった。それでも快適だったから(学校は山の上だったし)、やはり気候は違うもんですね。    周りは東北人ばかりだから、雪なんて見た途端に皆が皆「嫌(や)んだ〜雪(ゆぎ)降ってる」という反応。やはり雪国は「雪=迷惑」という感覚なんだろう。雪を見て喜んでるのは私だけだった。ちなみに雪の日に傘をさしてると、雪が積もって段々重くなってくるのだ。本当の(?)雪国から来た人は、傘をささない人が多かった。寮の食堂で宴会してる時、窓を開けて積もった雪の中から缶チューハイ出してたのも懐かしい。今年の冬は雪が降るかな?

エピソード91:パワースポット

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   先日のこと。高知市内の山中にある「ゴトゴト石」が、何者かによって工具で固定されたという衝撃的なニュースが駆け巡った。ゴトゴト石といえば落ちそうで落ちない、受験にご利益のあるありがたいパワースポットである。私も現地に行ったことがあり、石を揺すって来たことがある。それが悪さをされるなんて。まことにけしからん、犯人は早く出て来なさい!    パワースポットといえば。各人それぞれ自分の中のお気に入りがあると思うが、私の中のそれは「五台山」と「早明浦ダム」である。家の窓からもよく見える五台山は、常に私の心のよりどころとなっている。取り壊された古い展望台にも、思い出が沢山ある。かつてそこにあった喫茶店で食べたホットケーキが、実に美味しかったこと。コインを入れて覗く望遠鏡は、入れなくても良く見えたこと。古き良き昭和時代の話だ。  竹林寺にある一言地蔵にも、何回お願い事をしたか分からない(効き目があるのか!?)。文殊菩薩が御本尊なので、受験の際には念入りに拝んだ。また小学生の時には、そこの五重の塔を写生した記憶がある。緑豊かな時も、紅葉の時も、竹林寺の苔庭はとても趣がある。いつ行っても清々しい気持ちになる。    あとは牧野さん(牧野富太郎博士)推しの私にとって聖地である、牧野植物園。以前の温室も懐かしいし、今の立派な植物園も誇らしい。リニューアルされてからは、年に何回も足を運んでいる。行くたびに何かしらのグッズを買ってしまうのがやめられぬ。それにしても牧野さんは魅力あふれる偉人だ。来年の朝ドラが待ち遠しい。    そして早明浦ダム。クルマで走っていると突如現れる、壮大なコンクリートの建造物。その見事な佇まいには感動すら覚える。ダムの上まで行くと「四国のいのち」と刻まれた石碑があるのだが、訪れるたびに記念撮影をするのは恒例行事だ。おかげで「石碑と私」という同じ組み合わせで、数十年分の写真がある。石碑は変わらないが、私は幼児から子ども、大人になり、今や立派な中年女だ。これはライフワークとして続けるつもりである。心のオアシスであるパワースポット。来年に向けてのパワーを貰うぞ!