エピソード88:草花を描く

  先日高知市五台山にある牧野植物園で開かれた、「草花を描く」という教室に行って来た。講師は植物アドバイザーの稲垣典年先生。知る人ぞ知る、現代の牧野富太郎と言われる植物のエキスパートである。そんな大先生の教室がなんと無料!ただし入園料は必要なので、気をつけてね。

 

 本日のお題は「ヒイラギズイナ」。何だそれ聞いたことないぞ。草だか木だか、どんな花が咲くのか実がなるのかさっぱり見当もつかぬ。まずはみんなでぞろぞろと園庭に行き、目当ての植物を採取してくる。ちなみにメンバーの9割がたが、高齢の女性だった。

 さてそのヒイラギズイナだが、葉は艶のある濃い緑で、ふちにギザギザがある。白く可憐な小花をいくつも付けており、今までこのような植物を素通りしてたのが勿体無いくらいだ。各自お気に入りの部分を持ち帰り、早速描いてみる。ってかワタシ、周りの人となんか違う絵になってるぞ!?みんな牧野博士のような細密な植物画なのに、自分はイラストチックな絵。

 これはどうも先生の説明をよく聞けてなかったかららしい。私には「広汎性発達障害」がある。その症状のひとつに、脳の情報処理が不得手で、「人の話を正しく聞き取ることが出来ない」ことがあるのだ。そのせいで、子どもの頃からたびたび「人の話を聞いてない」だの「自分勝手なことをする」だの言われて来た。今回もソレが発動したらしい。

 なんか少し悲しくなったけど、絵を描き終わりみんなの作品を見て回っていたら、「うわぁ、上手ですね!」って褒められた。ちょっと嬉しくなったぞ。初めてだもの。段々コツを掴んで上手になっていけばいいのさ。

 教室は特に終わりの合図などは無く、終わった人から三々五々帰って行く。私も早めに描き終わったから、植物園を散策することにした。心地よい秋風に吹かれて植物園の中をハイキング。なんて気持ちいいんだろ。1人の時間を存分に楽しみ、お腹が空いたら東屋でお昼ご飯。こんなところで食べるおにぎりは本当に美味しい!豊かな時間をたっぷり堪能した1日となりました



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