エピソード66:モーニング

 このエッセイを書くのは、朝方が多い。午前中の方が頭が冴えていて、活動的だからだ。もっともエッセイを書くのは朝飯前というわけには行かず、こんなクオリティ(?)でも結構苦労している。ネタだって、あまりにも個人的なことはどうかと思うし、かと言って単なる一般論を書いても面白味が無い。それに八彩帖は、一応「ちょっと懐かし」「高知あるある」がテーマだ。というわけで、今朝SNSチェックをしていて思い付いたのが今回のお題、モーニング。

 旅先で食べるモーニングほど美味しい物は無いと、私は思う。地元の人しか利用しないような喫茶店。昭和テイストな店構えに、年季の入った調度品。ベルの付いたドアをカランと開けて、クーラーの効いた店内へ。沈むようなソファにボンッと腰掛け、メニューを一読する。和風の朝定食もいいけれど、やはり私は洋風のモーニングセットAをチョイス。トースト、卵、サラダ、味噌汁(←ココがミソ)、そしてデザートにコーヒーが付いてワンコイン!

 運ばれてきたモーニングセット、分厚いトーストにバターを塗りたくる。幡多だとトーストに砂糖がついて来るんですよね。あれがなんともたまらん美味しさなのだジュワッと広がるバターにじゃりじゃりとした砂糖が絡みついて、口の中はヨダレの海!一気に飲み下した後、味噌汁をすするのが旨い!なんで他の県はトーストに味噌汁を付けないんだろうか⁉︎

 味噌の余韻が残っている間に、頃合いに茹で上がった卵を口に放り込む。とろりとした卵が口中にまとわりつくのをねぶりつつ(!)、サラダにも手を伸ばそう。千切りキャベツにきゅうり、トマトのサラダにゴマドレがかかっているのが個人的ベスト。シャキシャキとした生野菜は、どこまでも風味が濃い。このトマトの甘さよ!店のおばちゃん手作りのデザートを一口で食べ、最後にコーヒーをすすり込む。ふーっ。幸せというのは、このようなことを言うのだろう。

 店の外へ出ると、まばゆい日差し。セミの声も高くなってきた。さて、今日はどこに出かけようかな。楽しい1日が始まる予感がする、夏の朝。 



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