エピソード65:カントリーな家

  高知市郊外にある我が家は、築25年を超える3階建てである。3階建てだから豪邸というわけではない。土地が狭すぎるから、やむを得ず高さでカバーしているだけだ。この家、平成レトロな雰囲気満載で、まるっきり私の趣味ではない。母の好みがそこここに溢れ、当時流行っていたカントリーテイストでいっぱいなのだ。ほんと流行ったよ、カントリー!

 平成ヒトケタ時代といえば、まだまだバブルの余波があった頃。機能性とかコストパフォーマンスとかより、デザインやインテリアに重きを置いていたような気がする。我が家もその影響なのか、おっこうな出窓がどーんと付いている。さらに、ハンドルをくるくる回して開け閉めするルーバー窓。そして至る所に花柄&花模様。なぜかカントリーをイメージしているのに、瓦屋根を乗せて畳の部屋まであったのだから、もう和洋折衷というよりただの趣味屋敷である。残念ながらここはウィスコンシンではなく、土佐の高知だ。今となってはチグハグな古臭い家としか言いようがない。

 そこでだ。せめて部屋だけでも気持ち良く過ごそうと、インテリアを工夫することにした。幸い畳は既に剥がし、板敷きにしてある(ダニがわきまくったせいだ)。この板は魚梁瀬杉を使っているので、この雰囲気を生かしたい。コンセプトはお家でアウトドア。こうして私の部屋作りが始まった。まず、断捨離としてモノを処分しまくった。家具、洋服、本、CD etc…。リサイクルやフリマサイトで売り払うと、かなりスッキリしたぞ。それから押入れの開き戸を取り外し、カーテンに付け替える。中にハンガーの付いた衣装ケースを入れると、ウォークインクローゼットの出来上がり!刑務所で買ってきた無骨な木箱を本棚にし、観葉植物を配置。ベッドの脚は取ってスノコ状にしたら、圧迫感が無くなった。加湿器や扇風機もデザインを考えて購入。うん、なかなか良い雰囲気になってきたじゃないか

 とまぁ、こうして好き放題が出来るのも、両親が苦労して建ててくれた家があるおかげ。いつか自分が年を取った時。壁の花模様を見る度に、母のことをふと思い出すのかもしれない。



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