エピソード54:マラソン大会

  冬の恒例行事といえば、マラソン大会だろう。お正月の箱根駅伝を皮切りに、都道府県対抗駅伝。そして東京マラソンをはじめとした、数々のマラソン大会。国道沿いを軽やかに駆け抜ける市民ランナーの姿も目につくようになり、風物詩のひとつとなっている。

 初めてマラソン大会に参加したのは、中学生の時だった。4kmほどのコースを男女別に走る、ありがちかつ迷惑(?)な校内行事である。当時は今と違って身体は軽かったから、4kmと言えども完走できた。しかし、あたしゃ根っからの運動オンチだ。しかも中学校は私立。片道1時間弱の自転車通学&1日に数十ページ進む授業の隙を縫って行われる体育は、まるで拷問のようだった。そもそもなんでこのクソ寒い空の下、人前でブルマ姿を晒さにゃならんのか⁉︎まぁお世辞にも容姿が良いとは言えない私を注目する物好きはおらず、思春期独特の自意識過剰さに身悶えしながらしぶしぶ走る羽目になるのだけれど。それでも走っている最中は、意外とかなり好タイムなのでは?という謎の自信に満ちあふれてくる。そういえば自分は本番に強い。もしかして先頭集団に入っているのかも。はたして結果は、102人中97番であった(°_°)

 ところで、高知には「高知龍馬マラソン」というご当地マラソン大会がある。イベント大好き高知県人、マラソン大会だってお祭り騒ぎだ。鳴り物、うちわ、横断幕などを手に手に沿道へ駆けつけ、にわか応援団を作るのがお約束。なぜか仮装して応援する人もいたりと、ランナーそっちのけで盛り上がっている。給水所では、高知ならではの鰹飯やフルーツトマトなどが並び、それ目当てで参加する人もいるとか。近所がコースになっているため、私も見に行ったことがある。全然知らないおばちゃん(!)から手渡された鳴子を振りつつ、沿道一丸となって応援するのはとても楽しい。早春の土佐路を走るランナーの姿、今年は見ることができるだろうか。




コメント

このブログの人気の投稿

エピソード104:取材

エピソード99:県営渡船と御畳瀬の町

エピソード103:夢あれこれ