エピソード44:風邪

  ナントカは風邪をひかないと言うが、あたしゃたびたび風邪をひく。実はこの文章、布団の中で書いている(ただのゴクドウ)。数日前から身体がだるく、寒気がする。クシャミ・鼻水も止まらない。腹具合もおかしいようだ。そのくせ熱は出ないから、なんとも中途半端な風邪である。歳のせいか(?)、めっきり寒さにも弱くなった。まだ10月なのに、長袖を着て羽毛布団と毛布にくるまっているなんて、以前の自分には無かったことだ。他人の病気話などとことんどうでもいいと思うけれど、しばしお付き合いを。

 そういや子どもの頃はなぜか、真冬でも半袖半ズボンを貫く男子がいたものだ。人と違う自分カッチョイイとかいう、そんな心理から来ているのか?女子でそんなことをする者は1人もおらず、必ず男子だったのがミソである。カッチョイイと思っているのは本人だけで、周りの女子は皆冷ややかな目で見ていた。そんなヤツは中学や高校にもいた。真冬の半袖どころか、真夏の学ランも見たことがある。さすがにそれは先生に注意されていた。

 とことん身体が丈夫だった自分は、病弱な人がうらやましかった。アホな無い物ねだりである。「薄幸の美少女」ではなく「発酵の微少女」だったワタシ。クラスの美人が転んだ時には周りがサッと駆け寄り、「大丈夫?」なんて優しい声をかけてるのに、私が転んだ時にゃ誰も集まらず、「アハハッ、あのコケ方‼︎」なんて指差して笑われた。この違いはどこから来るんだ⁉︎また、珍しく熱を出して欠席した次の日。ヨロヨロと登校した私を見て友人が一言、「どーした?拾い食いでもしたが⁉︎」…まっこと皆んな優しいちや(怒)。

 ふと思い出した。母と弟が同時にインフルエンザにかかった小学2年生の冬。誰も自分にかまってくれず、腹いせに寝込んでいる2人の横で、『♪相撲取りスッポンポンで風~邪ひ~かな~い♪』と踊ってやったのを。…うーむ、やはりナントカは風邪をひかないというのは、当たっているようだ。




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