エピソード22:苗字

  その土地ならではのものの中に、苗字がある。高知県に多い苗字は、山本さんとか山崎さんとかかな?県内でも独特な苗字の分布があったりして、小松さんや川谷さんといえば安芸の方にお住まいだろうか、とか、泥谷(ひじや)さんは土佐清水の出身かな、などと想像がつく。

 さてさて私の苗字は、別に珍しいわけでもないけれど、高知にはあまり無い漢字三文字である。だからか、一発で正しく呼ばれたことがない。みな似たような所をかすってくるが、惜しいのばかり。例えば大久保さんなら、久保さんとか久保田さんなんて呼ばれた経験があるのでは?それと似たような感じだ。そういやなぜか宇都宮さんと呼ばれたこともある。お~い、漢字三文字しか合ってないぞ(呆)。

 どうせ漢字三文字なら、西園寺とか北白川みたいな苗字が良かったような。しかしこのようなやんごとなき苗字だと、ファミレスなんかに入りにくいですね(そもそもやんごとなき人が安いチェーン店に入るか、というのはさておいて)。ところで順番待ちのあの名前書く紙。みな本名書いてるんだろうか?以前名前を呼ばれて立ち上がったら、よほど奇異に聞こえたのかそこにいたコドモに笑われた(怒)。コドモよ、人の名前を笑うたらいかんぞね。弟は会社で自分の苗字が言いにくいからと、電話の取り継ぎには偽名(!)を使っているらしい。誰も名前なんか聞いてないからいいんだとさ。ホンマかいな⁉︎

 まあでも所変わればで。大学進学で仙台に行ったら、私と同じ苗字の人が沢山いるではないか!どうやら私の苗字は、東北ではありふれているものらしかった。当然誰も呼び方を間違えなかったが、マイナーな苗字からメジャーな苗字へと変わるのは、妙にむずがゆいような変な気分がした。



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